秋の味覚「栗」は縁起物?【栗と豚肉のレシピ】
実りの秋、おいしいものがたくさん出回る時期ですが、私が楽しみにしている食材の一つに栗があります。
ここ数年、秋が来ると栗の渋皮煮に挑戦しています。生の栗から作るので、時間も手間もかかりますが、綺麗に出来上がるととても嬉しいものです。
スーパーでも栗を少し見かけるようになってきましたが、もう少し秋の気配が進んだら今年も作ろうと思っています。
さて今日は、栗について色々調べてみました! 最後に、豚肉とのレシピもご紹介しています!
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栗の歴史と、栗ご飯
栗といえば、焼き栗の他に、栗ご飯や栗きんとんなどが定番でしょうか。
近年では、モンブランケーキの専門店なども各地に出店していますし、パンやマフィンなどにも使いますよね。
日本では、なんと縄文時代から栽培されていたと考えられているそう!
青森・三内丸遺跡から炭化した栗が発見されています。栗は栄養価が高く甘みもあるため、携帯食としてもよく食べられており、江戸時代には参勤交代で日本中を行き来する各地の武士たちが、その道中に食べたり、丹波くりを日本中に広めたと言われています。
重陽の節句(ちょうようのせっく)
9月9日は、「重陽の節句」です。この日は「菊の節句」とも呼ばれ、無病息災・長寿・子孫繁栄などを願い、菊を浮かべたお酒やお茶、栗ご飯などをいただく風習があります。
1月7日(七草の節句)、3月3日(桃の節句)、5月5日(端午の節句)、7月7日(七夕の節句)、9月9日(重陽の節句)を「五節句」といい、節目節目のお祝いや祈祷をしていました。
今では、秋の味覚として楽しまれる栗ご飯は、元々は縁起物だったんですね!
栗は昔から、縁起物として親しまれてきた食材です。戦国武将の武田信玄が栗を食べて多くの戦に勝ったことから、勝負運を高めるとして武士たちが好んで食べるようになったんだとか。
他にもお正月によく食べる栗きんとんは、金運UPや商売運UPなどの願いが込められています。
栗の産地
世界の栗を大きく分けると、日本栗、欧州栗、中国栗、アメリカ栗の4つがあります。
日本栗と海外の栗の大きな違いは、日本栗の方が水分が多く粒が大きいこと。栗に含まれるタンニンというポリフェノールの一種が強めなので、渋皮が剥きにくいのも特徴。
また水分が多いため、海外の栗と比べると薄めの味で、茹でて食べるのに向いています。
海外の栗は水分が少ないので味が濃く、焼き栗向きです。
日本では、茨城、熊本、愛媛が有名な産地です。有名なもので「筑波」「銀寄」「丹沢」などがあります。
マロンは何語?
栗を使ったお菓子などの製品にはよく「マロン」の表記がありますが、これは何語なんでしょうか。
正解はフランス語。英語では栗のことを「chestnut(チェストナット)」と言います。
この「Chest チェスト」は、ラテン語の「Castanea カスタネア」からきています。カスタネアは「栗の木」という意味で、この言葉から栗の実をチェストナットと言う様になりました。
ちなみに楽器のカスタネットはスペインで生まれ、栗の木から作られていたそうです。
フランス菓子の「マロングラッセ」が日本で広まり浸透したため、日本ではマロンが英語だと思っている方も多いようです。マロングラッセは、栗を砂糖で煮て作るお菓子。「グラッセ」とは、氷のような艶を出す調理法のことなんだそう。
でも実は、フランス語で栗のことは「シャテーニュ」と言い、マロンは栃の実のことなんだそうですよ! ちょっとややこしいのですが、この語源には諸説あるようです。
栗に含まれるもの
栗には、ビタミンB、葉酸、カリウム、マグネシウムどが多く含まれています。
また、渋皮部分にはタンニンが含まれています。
タンニンはポリフェノールの一種で、渋みの成分。赤ワインやお茶、柿などにも含まれています。このタンニンは抗酸化作用のほか、肌につけると皮脂腺を引き締める「収れん」の作用などがあります。
収れんという言葉、化粧水のパッケージに書かれているのを見たことがある人も多いと思いますが、毛穴を目立たなくするなどの効果があるんですよ。
また、アルコールを分解する働きもあるので、お酒を飲む前にタンニンが含まれる食品を食べるのも良いんだそう。
ですがタンニンは、たくさん摂取すると貧血を起こしたり、胃石ができるなど、体に負担をかけることがあります。また歯への着色汚れの原因になったりもします。
栗は多くても1日10個くらいに留め、食べすぎに気をつけましょう。
栗は渋皮や鬼皮、イガの部分それぞれの煮汁で染め物を作ることもできます。
草木染めは手間がかかりますが、調理して出た皮で試せるので、芸術の秋の一つに挑戦してみるのも楽しいかもしれません。
栗と豚肉のレシピ
栗と豚肉の煮物
簡単に、市販の甘露煮を使って作ります。ほくほくしたおいしさをお楽しみください。
- 豚バラブロック200g 一口大に切っておきます。
- 市販の栗の甘露煮 6個
- 生姜 ひとかけ薄切り
- 小ネギ 適量
調味料 - だし汁 1カップ
- 酒 大さじ2
- 醤油 大さじ2
- みりん 大さじ2
- 甘露煮の汁 大さじ1
- 油を熱したフライパンに、薄切りした生姜を入れ火を通し香りが出てきたら一口大に切った豚バラを入れます。軽く焼き色をつけます。
- 調味料全てを入れ、煮立ってきたら弱火にし、15分ほど蓋をして煮ます。
- 豚肉に火が通ったら栗の甘露煮を入れ、残った煮汁を飛ばして出来上がりです。
栗とベーコンの炒め物
ジャーマンポテトの容量で、炒め物に。ジャガイモの代わりに栗で!おつまみにもぴったりです。
- ベーコンブロック 150g
- 栗 10粒
栗は、鬼皮と渋皮を剥いて 5分ほど水につけてアク抜きし、茹でておきます。電子レンジで火を通してもOK。
調味料 - オリーブオイル 適量
- にんにく ひとかけスライス
- バター 10g
- 塩 適量
- 胡椒 適量
- 彩りにパセリのフリーズドライなどあれば
- フライパンにオリーブオイルを入れ熱したら、スライスしたにんにくを入れ香りを出します。
- 一口大にカットしたベーコンを入れて炒めます。軽く焦げ目をつけたら、茹でた栗とバターを入れ炒め合わせます。
- バターが全体に馴染んだら塩・胡椒・パセリを加えて出来上がり。
いかがでしたか。お肉と合わせても美味しい栗で、いろんな料理に挑戦してみてください!