スーパーで買ってきたお肉。トレイの中に見える赤い液体。
ドリップという言葉は聞いたことがあるけど
あれって血なの?食べていいの?食べたら良くないの?
お料理をあまりしない方や、これからお料理を始める方の中には、不安に感じる人が結構いるようです。
今日はそんな疑問を解消!
お肉のドリップについて調べました。
今までそんなに気にしてなかったな~という方も、ぜひお付き合いください!
Contents
あの赤い液体は血液?
スーパーでパック入りのお肉を買うと、赤い液体がトレイに溜まっている事があります。
これが「ドリップ」と呼ばれるものです。
色が赤いので血液の様にも見えますが、血液ではありません。ドリップは、お肉の中にある水分と一緒に、筋肉の中にあるタンパク質「ミオグロビン」が流れ出たもの。
この「ミオグロビン」が赤い色素を持つため、ドリップがまるで血液を含んだように見えるんです。
ミオグロビンの量は、牛、豚、鶏の順に多く、そのためドリップの色も牛肉の方がより赤く、鶏肉は少し白っぽい色になります。
血液は、と畜の際にしっかり取り除かれるので、お店で売られている肉に血がついているということはほぼないそうですが、お肉に赤い血の塊の様なものがついている時があります。
これは「血合い」。生体時に打撲などで内出血を起こし、消えないうちにと畜された時などに見られるものです。血合いは調理して食べても問題ないですが、気になる場合は取り除いてもOKです。
ドリップは食べてもいいの?
ドリップは肉を切ったり、冷凍・解凍などで肉の細胞が傷つき、水分を保てなくなって流れ出たもの。
流れ出たドリップは空気に触れてしまうと、臭み・アクなどに変化していきます。
ドリップには水分のほかに、タンパク質やビタミンなどの栄養素、そしてお肉のうま味まで含まれているため、ドリップが出た後のお肉を焼いてもパサパサした食感になり、おいしさも半減してしまいます。
ドリップは食べても問題はないですが、たとえお肉と一緒に調理しても旨みが戻ることはなく、逆に臭みが出たり味も悪くなったり、雑味が残った料理になってしまいます。
スーパーマーケットなどで売られているお肉は、店頭に並ぶまでの間に冷凍して輸送されたり、さまざまなサイズにスライス・カットされています。そのため多少なりともドリップは出てしまっています。
ドリップは時間が経つと細菌が発生しやすくなるので、出てしまったドリップは捨て、お肉はキッチンペーパーなどで拭いてから使った方が安心です。
なるべくドリップの少ないお肉を選び、せめてこれ以上ドリップを出さずに保存したい!
ドリップが少ないものを選ぼう!
スーパーでお肉を買うときは、なるべくドリップが少ないものを選びましょう。
ドリップなしで保存しよう!
買ってきたお肉からドリップが出ていたら、キッチンペーパーなどで拭いきましょう。
水で洗い流したいという方もいらっしゃるかも知れませんが、水で洗うことでカットされているお肉の断面から、さらにうま味が流れ出てしまいます。それだけでなくその断面に水分がついて、お肉が水っぽくなってしまいます。
また、お肉についている細菌などが周囲に飛び散り、食中毒の原因になることもあります。
お肉についている細菌は加熱で殺菌できるので、水で洗うことは極力避けましょう。
冷凍室ではなく、チルド室を使う
今や冷蔵庫には必ずついているチルド室。ここを上手に使用しましょう。
ドリップが出てしまう理由の一つは、冷凍時に肉の細胞が傷つくこと。チルド室の温度は0度前後なので、食品が凍り固まることはありません。冷凍される一歩手前の冬眠状態にすれば、余計に細胞を傷つけることがなく、お肉も長持ち。すぐ使う予定のお肉なら、チルド室がおすすめです。
※真空パックのお肉は、そのままチルド室に入れてOK。冷凍する場合は、開封してラップ→保存バッグに入れるとおいしさが長持ちします。
調理してから冷凍する
チルド室がない冷蔵庫でも大丈夫。まずはお料理してしまうのはどうでしょうか。これならうま味が逃げることはありません!
しっかりと過熱したお肉は、約30日ほど冷凍保存が出来ます。(※それでも早めに食べて下さいね!)
冷凍したものは冷蔵室で戻した後、軽くフライパンで温めたりレンジでチンすると美味しく食べられます。下味をつけて「揚げるだけ・焼くだけといった状態にして冷凍」 もイイですね。
急速冷凍
忙しい現代人。買い物の回数を減らして食材をストックしておきたい!私もその一人です(^-^)
冷凍室を使うならこんな風にするのがおすすめ!冷凍室を使う場合は、お肉をラップでぴったり包み、冷凍保存用の保存バッグなどに入れてください。
そして、なるべく早く凍った状態にする方が良いので、金属のバッドなどに並べて冷凍するのをおススメします。急速冷凍機能が付いている冷蔵庫なら、ここでサッと冷凍させましょう!
冷凍前には、まずキッチンペーパーでドリップを拭きとり、空気が入らないようにラップに包んでから行ってくださいね。
冷凍したお肉は、自然解凍で
電子レンジなどを使った解凍は、急激な温度変化となるため、お肉の細胞を傷つける原因に。
解凍は冷蔵室に移してじっくり解凍、または氷水解凍でゆっくり解凍がベターです。
【まとめ】
- ドリップは血液ではありません!「ミオグロビン」というタンパク質が、肉の水分といっしょに出てしまったもの。
※ミオグロビンが赤い色素のため、血液と勘違いされることがある。 - ドリップには、うま味やビタミンなどの成分も含まれているが、肉と一緒に調理してもうま味は戻らない。
- 保存方法や解凍方法を工夫すると、ドリップが出るのを抑えることができる。
- ドリップがついたお肉は、水道水で流さず、キッチンペーパーで拭き取る!
もちろん新鮮なお肉をその日必要なだけ買って、なるべく早く食べるというのが一番いいですが、なかなかそうはいきませんよね。
ちょっと手間はかかりますが、栄養やおいしさを損なわず、無駄なくお肉を食べられるようにトライしてみてくださいね♪