夏はやっぱりさっぱりしたものが食べたくなりますね。きゅうりやトマトなど瑞々しい野菜を冷やして丸かじり!なんていうのもいいですし、そうめんや冷奴など喉腰の良いものも定番です。

山形には「だし」というご飯のお供がありますが、そうめん、冷奴、温かいご飯‥と様々な食べ物と相性ピッタリ。きゅうりやナス、大葉やみょうがなど夏野菜を細かく刻んで調味料に漬け込んで作ります。野菜もたっぷり取れる上に、さっぱりしていて食欲もUP!


みょうがなどの香味野菜は、香りもよく免疫力も高めてくれます。免疫力を高めておきたい時期。香味野菜を取り入れて、毎日健康に過ごしたいですね!

今回は薬味としてよく使われる香味野菜とその効果、そして薬味について深掘りしてみたいと思います。

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香味野菜ってどんなもの?

香りが高く、料理を引き立て、香り付け・風味付けをしてくれる野菜のことを香味野菜と呼びます。

香味野菜はシソ(大葉)、ニンニク、ワサビ、生姜、みょうが、セリ、三つ葉などの他、普段の料理で多く使う玉ねぎ、長ねぎなども含まれます。

海外のものだと、パセリやバジル、セロリ、パクチー、レモングラス、ミントなども香味野菜です。


香味野菜や、その他の野菜、ナッツ類を細かく切るなどして、料理に添えたりトッピングしたりするものを「薬味」と言います。

薬味には、わさびなど野菜をおろしたもの、大根のつまなど細く千切りにしたもの、すりごまなどすりつぶしたもの、味噌などを練り合わせたもの…といろんな形や作り方があります。
料理に添えたりかけたりするだけで、見た目・香り・味が一層良くなりますが、良い点はそれだけでなく、素材によって殺菌効果、食欲増進、疲労回復、免疫力UPなども期待できるところです。


香味野菜 それぞれの効果

香味野菜のいくつかをピックアップして、体にどんな良い作用があるのか調べてみました!いま、不足しているなと感じるものをぜひ取り入れてみてください。

シソ(大葉)

シソは体を温め、発汗や解熱の作用をもたらします。また胃腸の働きを整える効果もあり、食中毒の予防として刺身など魚介類に添えられたり、お弁当のおかずの仕切りに使われたりします。
シソの香りの成分「ベリルアルデヒド」は、殺菌・防腐作用があります。

ニンニク

ニンニクは疲労回復、血行促進、冷えに効果があります。匂いの成分「アリシン」は、エネルギーの素ビタミンB1の吸収を高めるので、豚肉と相性バッチリ。
抗がん作用や免疫UPの他、胃腸や心臓の働きも高めてくれます

わさび

わさびには関節の痛みを和らげる抗炎症作用や、お肌の老化を防ぐ抗酸化作用などがあります。また、殺菌・抗菌作用があるためお刺身などと一緒に食べます。お弁当用の抗菌シートなどもわさびの成分で作られたりします。

生姜

生姜は体を温め、血行を良くします。その他、新陳代謝促進・むくみを解消する・肩こり改善などの効果もあります。香りの成分「シネオール」は食欲を増進させ、暑い夏にはピッタリ。殺菌効果もあり、ガリとしても食されます。

みょうが

みょうがは血行を促進、口内炎・生理痛・生理不順の解消にも効果があります。エアコンで冷えやすい女性にはピッタリ。香りの元「アルファピネン」は食欲増進のほか、発汗作用なども期待できる精油の成分です。

パセリ

パセリには抗酸化作用があります。香りの成分「アピオール」は口臭予防の効果も。イライラを抑えるなど、精神安定のハーブでもあります。そのほかむくみ予防、貧血予防なども期待できます。

パクチー

パクチーはデトックス効果があり、体内の水銀など有害金属を体外に出す働きがあります。そのほか殺菌効果も期待されます。香り成分の「ドデセナール」はサルモネラ菌に特に効果があるそうです。


香味野菜の香りは料理に風味をプラスするだけでなく、アロマの効果もあるんですね。それぞれ体に良い効果がありますが、食べすぎると体調を崩す原因になります。毎日のお料理の中に適量使用するようにしましょう。

薬味の歴史

江戸時代には、うどんにかける薬味として「梅干し、胡椒、大根、味噌、醤油」などを使用していたようです。

そのほか、平安時代から鮎の塩焼きに蓼酢(たでず)を合わせて魚の臭みを和らげたり、汁物に柚子を使って風味を出していたそう。昔からいろんな形で薬味を使っていたんですね。


薬味には上記で述べたような柚子やすだち、ライムやレモンなどの柑橘類、かつお節やサクラエビなどの動物性のもの、味噌や醤油などベースとなるものを食材と練り合わせて作ったものなど様々あります。

薬味はその名の通り「薬」としての役割と「味」を引き立てる役割があります。
薬味という言葉はもともとは中国の医学用語として使われていまいた。
食物の五味(甘味、塩味、酸味、苦味、うま味)はそれぞれ効能があるという意味で、この五味をまとめて薬味と呼んでいたそう。

上記で挙げたような薬味と料理が合わさることで、味に深みやコクを出したり、臭みを和らげて食べやすくするだけでなく、殺菌抗菌効果や、栄養素をより吸収できるように手助けしてくれます。

地域の特色が詰まったご当地薬味

日本全国、その地域で取れる食物で作られたいろんな薬味があります。そのうちのいくつかをご紹介!

福井県鯖江市 「山うに」

福井県鯖江市河和田には、300年以上の歴史がある薬味「山うに」があります。
見た目が「うに」にそっくりなこの薬味は、柚子、赤なんば(唐辛子)、塩、鷹の爪を丁寧にすり練り上げて作られます。ゆずの爽やかな香りと辛味が鍋料理などにピッタリなんだそう!

長野県長野市「七味唐辛子」

長野県長野市の「七味唐辛子」は、そのパッと目を引く容器のデザインを見たことがある方も多いはず。良い香りの中に、ピリッとした辛さが際立ち、辛いもの好きの方に人気の商品です。
他社とコラボしたカレーにかけるスパイスミックスなどもあります。

宮城県石巻市「牡蠣味噌」

宮城県石巻市で生まれた「牡蠣味噌」は、焼いた牡蠣と仙台味噌を練り合わせています。ひと瓶の半分以上が牡蠣という贅沢な逸品で、そのままおつまみにしたり味噌おにぎりや炒め物に加えても◎!

徳島県美馬地方「激辛薬味みまから」

徳島県美馬地方に古くから伝わる「みまから唐辛子」を輪切りにし、ごま油で炒め醤油や鰹節で味付けした「激辛薬味みまから」は、激辛好きにはたまらない逸品。ご飯に乗せたり、ラーメンなど麺類にトッピングしたりと色んな使い方ができます。


冷しゃぶ+薬味でさっぱり食べよう


豚肉を薬味でさっぱり食べたい!それなら、やっぱり冷しゃぶはいかがでしょう。
豚肉のスライスをさっと茹でて、ネギ、大葉、みょうがなどを細かく刻んだものに胡麻をプラス。
醤油、酢、ごま油、砂糖少々と、すりおろし生姜を加えたタレを絡めていただきます。簡単に、めんつゆやポン酢などを使っても美味しいですよ。

そうめんや蕎麦などの上に豚肉と薬味をたっぷり乗せて食べてもいいですね。



いかがでしたか。
毎日のお料理に薬味を加えて、彩りや美味しさをプラスしましょう!