味噌は、大豆を発酵させた食品。
大豆にはコレステロールを低下させる「レシチン」という栄養素が含まれていたり、腸内環境を整える善玉菌なども多く含んでいます。
味噌は、日本のスーパーフード。今日は味噌を使った定番食「味噌汁」や味噌の栄養素、宮城の味噌「仙台味噌」について調べました。
また、味噌+豚肉レシピもご紹介します!
Contents
味噌汁はいつから食べられていたのか
味噌といえばやっぱり味噌汁ですよね。味噌汁はいつから食べられていたのでしょうか。
味噌汁の起源は鎌倉時代。中国からやってきた僧が、すり鉢で粒味噌をすりつぶし、水に溶かしたことから広まったそう。味噌自体は平安時代からありましたが、それまでは地位の高い人だけが食べるもので、そのまま舐めたり、他の食材につけて食べるものだったようです。
味噌汁として食べられるようになってからは、武士の食事に「一汁一菜」として取り入れられるようになります。
室町時代になると、大豆が多く作られるようになります。自家製味噌を作る者も増え、だんだん庶民の間にも味噌汁が広まっていきました。
その後の戦国時代では、携帯食として味噌玉が作られるように。戦場での貴重なたんぱく源として食べられていました。
江戸時代になると、人口が増えたことで味噌の生産が追いつかなくなり、三河(現在の愛知県東半部)や仙台などで作った味噌が江戸に運ばれるようになっていったのだそう。
白味噌、八丁味噌、仙台味噌は、日本の三大味噌と呼ばれています(諸説あります)。
仙台味噌について
宮城で作られている仙台味噌は、米麹を使った米味噌。米麹と大豆をもとに作られます。米麹の粒々が残った粒味噌は、こうじ味噌とも呼ばれています。
仙台味噌は、伊達政宗公が発展させました。政宗公は、日本で初めてとなる味噌の工場を作ったのだとか。味噌の品質管理を徹底させ、1年を通して変質しない良質な味噌を作らせました。
戦国時代に、武士たちが味噌を携帯していた頃、他の藩が持参した味噌は夏の気温が高い時期には腐れてしまったそうですが、仙台藩の味噌は腐らず味もとてもおいしかったことから、他の藩に分け与えたという謂れもあります。
仙台味噌は、赤味噌の一種。色が濃く塩分も高めですが、大豆の風味・旨味が高く、出汁なしでも美味しい味噌汁が作れます。また「なめみそ」とも呼ばれ、そのまま食べることもできます。
そのまま食べても美味しい理由は、製造過程での加熱処理や、発酵を止めるためのアルコールを使わないこと。熟成まで時間はかかりますが、昔ながらの作り方をしているため酵母や酵素を殺さず、深い旨みが残ります。
味噌と砂糖、くるみやごまなどを大葉で包み、油で揚げた「しそ巻き」は宮城の郷土料理のひとつ。
香ばしい香りが食欲を誘う一品で、ご飯のお供やお茶うけにいただきます。
また、ずっしりとした蒸しパンのような「雁月(がんづき)」。こちらも宮城で昔から作られている黒砂糖を使った菓子パンですが、隠し味に味噌を使うと優しい甘塩っぱさが後をひく味に。
がんづきは、「蒸しパンタイプ」と「ういろうタイプ」がありますが、昔はういろうタイプはお菓子屋さんで作られ、蒸しパンタイプは家庭で作られてきたおやつだったんだとか。どちらも県内の和菓子屋さんやスーパーのパン売り場などで見かけます。
しそ巻き、がんづき、どちらも簡単にお家で作ることもできます。機会があればぜひご賞味ください!
味噌の栄養素や効果
味噌は、大豆のタンパク質、ビタミン、イソフラボン、レシチン、食物繊維などの他に、発酵の段階で生まれるアミノ酸などさまざまな栄養素を持っています。
その他、炭水化物や脂質なども多く含んでおり、スーパーフードと言っても過言ではありません。
胃がんや乳がんなど、がんの予防のほか、脳卒中、コレステロール値上昇の予防、疲労回復、老化防止、美肌効果…と嬉しい効果がたくさん!
毎日味噌汁を摂ることで、健康で若々しい体づくりにつながります。
仙台味噌は同じ米味噌である西京味噌と比べて塩分が高いですが、カロリーは低く、タンパク質が多く含まれています。仙台味噌は塩辛い味ですが、風味高くさまざまな料理にもピッタリです。
仙台味噌で美味しい豚肉料理!
豚ロースの味噌漬け焼き 2人分
・豚ロース(とんかつ用)2枚分(1枚約100g)
・仙台味噌 大さじ1と1/2
・みりん 大さじ1と1/2
・酒 大さじ1
・お好みでニンニクすりおろし小さじ1
- 調味料を混ぜ合わせ、タレを作ります。
- とんかつ用の豚ロースを筋切りし、30分〜1時間ほどタレに漬け込みます。
- 油を引いたフライパンにお肉を並べ、お肉に火が通ったら出来上がり。
- 生姜焼き用のお肉で作れば、お弁当のおかずにも。
秋冬の風物詩!仙台芋煮 4人分
・里芋 10個
・豚肉薄切り200g
・にんじん 1/2本 約120g
・ごぼう 約100g
・こんにゃく 1枚
・長ネギ 1本
和風顆粒だし 大さじ1
仙台味噌 50g
水 適量
- 里芋は皮を剥いて一口大にします。にんじんは銀杏切り、ごぼうはささがき、長ネギは1センチほどの斜め切りにそれぞれ切ります。ごぼうは水につけ、あく抜きしましょう。
- こんにゃくはスプーンまたは手でちぎり、下茹でしておきます。
- 豚肉は3センチ程の幅にカットします。
- 鍋に水を入れ、にんじん、ごぼう、こんにゃく、豚肉、顆粒だしを入れ煮ます。
- 野菜が柔らかくなったら、一旦火を止め仙台味噌を加え溶かします。味見してみて、味が薄いようでしたら、好みの濃さになるよう調整してください。
- 再度鍋に火をつけ、長ネギを加えて一煮立ちしたら出来上がり。お好みで七味をかけてどうぞ。
味噌ソースで味噌カツ
・とんかつ用豚肉
・小麦粉
・卵
・パン粉 各適量
仙台味噌 大さじ2
酒 大さじ2
砂糖 大さじ1と1/2
水 大さじ1
- 味噌、酒、砂糖、水を全て混ぜ合わせます。軽くラップをして600wで約1分加熱しソースを作ります。
- お好みで、ごま、ごま油 適量を加えれば、ごま味噌ソースになります。
- 豚肉を筋切りし、衣をつけて180度の油で揚げ、食べやすいサイズにカットしたら、味噌ソースにつけていただきます。
いかがでしたか?仙台味噌でなくてももちろん作れます!お家にある味噌でお試しくださいね。